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日本の伝統芸術であるシルク着物を
sasanquaはネクタイ・蝶ネクタイに生まれ変わらせます。

文明開化から明治・大正・昭和と時代を重ねていく中で、着物は「日本人の大衆の普段着」 としての役割をほぼ終えました。

しかしながら私たちは、普段着としての役割を終えたのは「着用スタイルとしての着物」であり、 着物の材料である反物(布)は、新しく魅力的に生まれ変われると考えております。

着物は、貴重な反物を永く使えるように解体・洗浄・仕立て直し等の手入れをしやすくすることを重視したため、一尺(鯨尺、約 37cm)の幅で織られた反物をつなぎ合わせた「無個性」な形をしています。ただし形が無個性な分、反物そのものは非常に個性的です。

蚕が紡ぎ出した繊細な糸から作られた絹に、慎重にコンセプチュアルなモチーフが施され、中には手描き手刺繍されているも のもあります。 蚕農家、織職人、絵付師が行なっている仕事の工程はまさに芸術であり、現代においても「新しい」と思えるものが少なくありません。

現在でも大正期から戦前期の魅力的な反物が入手できるのは、このように着物の手入れ方法が確立され、親子代々反物を大切に扱ってきたことによります。 手入れの過程で、新品の布にはない魅力(柔らかさや手触り等)を獲得した反物も数多く存在することも、大きな特徴と言えます。

このような魅力を持った反物を、現代の生活様式にあわせた「着用スタイル」に変えていくことで、改めて「大衆の普段着」として取り込んで行きたいというのが、私たちの思いです。